Sakr Y, Moreira CL, Rhodes A, Ferguson ND, Kleinpell R, Pickkers P, Kuiper MA, Lipman J, Vincent JL; Extended Prevalence of Infection in Intensive Care Study Investigators.
Crit Care Med. 2015 Mar;43(3):519-26. PMID: 25479111
✔ 背景
ICUの運営形態に関わる多くの要素が患者予後と関係しているかどうかを検討した。
✔ 方法
国際的多施設観察研究。EPIICⅡ研究(ICU患者の感染症についての疫学研究)のPost hoc解析。2007年5月7日に75カ国1,265施設のICUに入室した18歳以上の患者を対象とした。
✔ 結果
13,796人の患者が対象となった。ICUや病院の運営形態は地域によって大きく異なっていた。北米のICUは欧州やラテンアメリカのICUと比較して24時間稼働する細菌検査室や救急外来を多く備えていた。82.9%のICUがClosedであったがこれも地域性があり、北米が最も少なく(62.7%)、オセアニアで最も多かった(92.6%)。集中治療医が24時間在室しているICUは北米で最も少なく(86.8%)、ラテンアメリカで多かった(98.1%)。ICU容量(ICUにどれだけ患者を受け入れているか。ICUの診療可能容量ともいえる)は北米に比べて西欧、ラテンアメリカ、アジアで有意に少なかった。多変量解析によると、Medical ICUないしMixed ICUはSurgical ICUに比べて院内死亡のリスクが高く、患者-看護師の比率が1:1.5以下であることは院内死亡のリスクが小さくすることが判明した。
✔ 結論
患者-看護師の比率を高めることで患者の院内死亡を減らすことができる可能性がある。
多変量解析(文献より引用) |
◎ 私見
現在のICUにおける診療チームの主役は看護師さんである、ということを端的に示すデータでしょうか。もちろん単純に人が増えればよいという話ではないですが。ちなみに集中治療医の存在も有意ではないものの患者死亡を減らす傾向はある様子。こちらも患者-集中治療医の比率でみてみる必要があるのではないかと思ったりしています。
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