Kelly JF, McLaughlin DF, Oppenheimer JH, Simmons JW 2nd, Cancio LC, Wade CE, Wolf SE.
Burns. 2013 Sep;39(6):1060-6. PMID: 23773791
✔ 背景
重症熱傷に対する輸液量は体重と熱傷面積によって計算し、尿量をみながら調節する。生理学的反応に関わらず、伝統的に24時間の輸液蘇生が行われてきた。この輸液量と尿量の比が熱傷患者の予後を予測できるかを検討した。
✔ 方法
2003年~2006年に熱傷センターに入室した%TBSA≧20、受傷8時間以内、24時間以上生存した重症熱傷患者を対象とした。輸液量、尿量、予後を記録した。入院24時間の時点での輸液(cc/kg/%TBSA/h)と尿量(cc/kg/h)を計算した。予測される輸液量は4cc/kg/%TBSA/24hで尿量は0.5~1.0cc/kg/hであることから、輸液量と尿量の比は0.166~0.334となるはずである。患者群をOver-responder(<0.1666)、Under-responder(>0.344)に分類し、最終的な予後や12時間の時点での比率と比較した。
✔ 結果
102人が対象となった。29人がOver-responder、37人が期待通りの比率、36人がUnder-responderと判定され、死亡率はそれぞれ、21%、11%、44%であった。アルブミンはUnder-responderで多く投与される傾向があった。死亡を除外して検討したところ、Under-responderでは人工呼吸器フリーの日数が短く、ICUフリーの日数も短かった。12時間の時点と24時間の時点で両方ともUnder-responderと判断されたのは67%であった。
✔ 結論
輸液量と尿量の比は熱傷患者の予後推定に有用である
◎ 私見
Under-responder、すなわち尿量が少なく輸液が多い群では予後が悪いという結果。一方で、有意ではないもののOver responder(尿量が多く輸液が少ない)も予後が若干悪いという結果であった。ベースラインをみるとUnder群は重症なので、「具合の悪い熱傷には大量に輸液しても尿がでない」を別の形でみているにすぎないかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿