Decousus H, Tapson VF, Bergmann JF, Chong BH, Froehlich JB, Kakkar AK, Merli GJ, Monreal M, Nakamura M, Pavanello R, Pini M, Piovella F, Spencer FA, Spyropoulos AC, Turpie AG, Zotz RB, Fitzgerald G, Anderson FA; IMPROVE Investigators.
Chest. 2011 Jan;139(1):69-79. PMID: 20453069
✔ 背景
入院中の重症患者は静脈血栓症(VTE)を発症するリスクがある。VTE予防ガイドラインがあるが抗凝固薬の投与は不十分である。これは出血リスクを恐れるためではないかと考えられる。VTEに関するデータベース(IMPROVE)を用い、出血の頻度とリスク因子を検討した。
✔ 方法
IMPROVEは深部静脈血栓症に関する前向き観察研究で、15,156人を対象としている。在院中の出血率と入院時の危険因子を検討した。
✔ 結果
入院14日以内の累積出血発症率は3.2%であった。活動性の胃十二指腸潰瘍(OR 4.15)、出血の既往(OR 3.64)、血小板減少(OR 3.37)が強い独立した危険因子であった。その他の危険因子は、高齢、肝不全、腎不全、ICU入室、中心静脈カテーテル、リウマチ性疾患、悪性腫瘍、男性であった。これらの因子を用いて出血予測スコアを作成した
✔ 結論
大規模データベースを用いて臨床的に有意な出血を起こしうる危険因子を明らかにした。このスコアを参考にしてVTE予防のための戦略を講じることができ得る。
出血予測スコア(文献より引用) |
◎ 私見
予測スコアが7点以上だと出血のリスクが高いと判断される。もともとのコホートが出血をターゲットにしたものではないので解釈には注意が必要だが、使えそうではある。つい最近Chest誌にValidation studyがでたみたい。
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