Direct sodium measurement prevents underestimation of hyponatremia in critically ill patients.
van den Ancker W, Haagen IA, van der Voort PH.
Intensive Care Med. 2015 Feb 12. PMID: 25672273
ICMに掲載されたLetter。
✔ 背景
輸液と電解質管理はICUで重症な職務である。偽性低ナトリウム血症はよく知られているが、偽性高ナトリウム血症はあまり知られていない。多くの生化学検査機器は6~46倍に希釈して電解質濃度を計測しているが、最終的に濃度を計算するにあたり、検体の7%が脂質や蛋白質でのこり93%水であると仮定している。したがって、低アルブミン血症がある重症患者では過大評価してしまう。一方、直接測定法である血液ガス分析装置ではこのような問題はない。
✔ 方法
2,336人の患者から得られた検体を後向きに解析した。間接測定法ではNa、アルブミン、総蛋白をCobas systemを用いて計測した。希釈率は31倍であった。直接法ではNaを血液ガス分析装置(Radiometer)で計測した。
✔ 結果
198人(8.5%)の患者で間接法のNa値が4 mmol/L以上直接法に比べて高くなっていた。このうち、40%の患者で偽性高ナトリウム血症(>145 mEq/L)もしくは偽性正ナトリウム血症(135-145 mmol/L)の状態となっていた。総蛋白の値は直接法・間接法のNa値の較差と有意に相関していた。アルブミン値に関しても同様の結果であった。
✔ 結論
血液ガス分析装置で計測されるナトリウム値の方が信頼できる。
◎ 私見
検査方法に伴う誤差は有名な話だと思っていたのですが、実はそうではないのかも。血糖値も血液ガスで測った方が信頼できる。まあ、Na値どうこうより、どんな症状があって何に困っているのかをしっかり把握することが大事。
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