Blanch L, Villagra A, Sales B, Montanya J, Lucangelo U, Luján M, García-Esquirol O, Chacón E, Estruga A, Oliva JC, Hernández-Abadia A, Albaiceta GM, Fernández-Mondejar E, Fernández R, Lopez-Aguilar J, Villar J, Murias G, Kacmarek RM.
Intensive Care Med. 2015 Feb 19. PMID: 25693449
✔ 背景
人工呼吸器との非同調は鎮静薬や筋弛緩薬の使用量を増大させ、人工呼吸管理期間・ICU在室日数を延長し、呼吸筋障害を増やし、気管切開率を高めることが知られている。
✔ 方法
Better Careというソフトウェアを用いて人工呼吸管理中の非同調について調査した。非同調
は①Ineffective efforts during expiration (IEE)、②Double-triggering、③Aborted inspiration、④Short cycling、⑤Prolonged cyclingの五つに分類して集計した。ソフトウェアは人工呼吸器のモードや吸気・呼気、非同調の出現を自動的にモニタできる。全集計時間のうち、CPAPもしくは分類不能であった時間を除いて解析した。非同調係数(Asynchrony index; AI)は、すべての非同調の回数を、呼吸数とIEE(ミストリガー)の総和で除して計算し、10%以上を高度非同調と定義した。これらの集計は1時間毎に行われた。
✔ 結果
50人の患者における7,027時間、8,731,981回の呼吸を解析対象とした。全ての患者の全ての呼吸モードで非同調が観測された。AIの中央値は3.41%であった。最も多く認められた非同調はIEEであった(2.38%)。午後12時から午前6時までの間は非同調の頻度が減少していた。その時間帯では、90%が調節換気であった。AIが10%を超える患者と10%未満の患者を比較したところ、再挿管や気管切開の頻度は変わらないものの、ICU死亡率、院内死亡率、人工呼吸管理期間が高度非同調群で大きくなる傾向があった。
✔ 結論
非同調は日常的に認められ、とくに日中に多かった。これらの非同調が患者死亡の危険因子となるのか、さらなる研究が必要である。
非同調と予後(文献より引用) |
◎ 私見
基本的に非同調はあってはいけないものと思っている。そのために患者さんのそばから離れられなくなることも。まだまだ非同調に対する理解が少なくて、結構見逃されている。まずはそういったことのないように地道に診療することが先決か。ソフトウェアで検出できれば知らなくてよい、とはならないと思うし。
0 件のコメント:
コメントを投稿