Komiya K, Ishii H, Murakami J, Yamamoto H, Okada F, Satoh K, Takahashi O, Tobino K, Ichikado K, Johkoh T, Kadota J.
J Thorac Imaging. 2013 Sep;28(5):322-8. PMID: 23615573
✔ 背景
単純胸部X線写真で心原性肺水腫とARDSを鑑別することは難しい。胸部CTで鑑別できるかどうかを検討した。
✔ 方法
急性呼吸不全(P/F<300)のために救急外来を受診し、胸部X線写真で両側浸潤影を認めた症例を対象として検討した。ふたりの集中治療医が診療経過のみから、ふたりの放射線科医がCT所見のみから心原性肺水腫かARDSかを判断した。間質性肺炎(膠原病性含む)、急性冠症候群、腎不全、左室機能不全の既往、肺塞栓、重度COPDの患者は除外した。心原性肺水腫の患者は収縮期血圧とBNPが高く、CRPが低い傾向があった。また、心エコーは全例に施行されていたが、右心カテーテルは8人(11%)に施行されたのみであった。ARDSの原因は肺内が45%、肺外が55%であった。集中治療医の診断を最終診断として、放射線科医のCT所見(5mmスライス)の読影結果の精度を調べた。
・CT所見
Ground-glass attenuation、airspace consolidation、small ill-defined opacities、air-bronchogram、interlobular septal thickening、peribronchovascular thikening、traction bronchiectasis、pleural effusion。
✔ 結果
41人の心原性肺水腫、20人のARDS患者を検討対象とした。心原性肺水腫では上葉優位/中枢側優位のGGA、中枢側優位のairspace consolidation、peribronchovascular thickeningの所見をより多く認めた。一方、ARDSでは全葉にまたがるGGA・Airspace consolidation・small ill defined opacitiesがより多く認められた。
患者背景(文献より引用) |
心原性肺水腫のCT(文献より引用) |
ARDS(文献より引用) |
診断精度(文献より引用) |
◎ 私見
心原性肺水腫/ARDSの鑑別にCTは有用であるという結果であった。胸部CTは苦手。いつも専門の先生方の読影に勉強させていただいている。とにかくたくさん読んでいかないと。
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