Kirsi-Maija Kaukonen, M.D., Ph.D., Michael Bailey, Ph.D., David Pilcher, F.C.I.C.M., D. Jamie Cooper, M.D., Ph.D., and Rinaldo Bellomo, M.D., Ph.D.
✔ 背景
重症敗血症は臓器障害を伴う感染症でSIRS項目を2つ以上満たすものと定義されていた(CCM 1992)。この23年前に報告されたSIRS項目について、その感度や妥当性を検討した。
✔ 方法
ANZICSによる疫学研究。2000年~2013年に172施設のICUに入室した患者を対象として、SIRS項目を二つ以上満たすSIRS-positive severe sepsis群と二つ未満のSIRS-negative severe sepsis群を比較し、さらにSIRS項目の数と死亡のリスクの関連について解析した。
✔ 結果
109,663人の臓器不全を伴う感染症患者が対象となった。SIRS-positiveは87.9%、SIRS-negativeは12.1%を占めた。調査期間中、両群とも次第に死亡率が減少する傾向であった。SIRS項目がひとつ上昇するごとに死亡のオッズ比は1.13倍上昇した。この関係は線形で、二つ以上で急激に上昇することはなかった。
✔ 結論
SIRS項目二つ以上を根拠に重症敗血症を診断しようとすると、同じような臓器不全徴候と死亡のリスクを持つ8人のうち一人を見逃すことになる。
SIRS項目と死亡のオッズ(文献より引用) |
◎ 私見
高齢者で特に多いと思うが、間違いなくSepsisと思っても頻脈にもならないし平熱だし白血球数も全く正常で、ちょっと呼吸がはやいくらいの患者さんはよくみるような気がしていた。この研究で「SIRS項目ふたつ以上」には強い根拠はないことが分かった。まあ、当然と言えば当然の結果でしょう。しかし、8人に一人はSIRS-negativeだそうで、これは結構な数字だと思った次第です。
0 件のコメント:
コメントを投稿