The association between time to antibiotics and relevant clinical outcomes in emergency department patients with various stages of sepsis: a prospective multicenter study
Critical Care (2015) 19:194
✔ 背景
敗血症早期における適切な治療が重症化を防ぐと考えられている。そこで、敗血症のために救急外来に搬送されて入院することになった患者において、来院から抗菌薬投与までの時間が短くなればなるほど予後が改善するかどうかを検討した。
✔ 方法
前向き多施設研究。抗菌薬の静脈投与を要した敗血症患者を対象とし、PIRO(Predisposition、Infection、Response、Organ failure)スコアに基づく重症度で3群(1~7点、8~14点、15点以上)に層別化したうえで抗菌薬投与までの時間とアウトカムの関係を調査した。プライマリアウトカムはInverse measure of hospital lengths of stay(28日目時点における院”外”生存日数)とした。セカンダリアウトカムは28日死亡率とした。Cox回帰分析を用い、抗菌薬選択の適切性や救急外来における治療、重症度を考慮に入れたうえで抗菌薬投与までの時間とアウトカムの関係を解析した。
✔ 結果
1,168名の患者が対象となった。112名(10%)が死亡した。85%の患者が3時間以内に抗菌薬を投与されており、6時間以内には95%の患者で抗菌薬が投与されていた。1時間以内に抗菌薬投与を受けたものをReferenceとしてHazard ratioを検討した。抗菌薬投与までの時間と院外生存日数、死亡率には関係が無かった。
✔ 結論
救急外来到着後より6時間以内であれば、抗菌薬投与までの時間と予後には有意な関係はない。
◎ 私見
最重症群では数が足りずパワー不足であった可能性があるとか、培養陰性が多くて抗菌薬の適切性がうまく検討できていないなどの問題があるので、「ちょっとぐらい遅れてもいいや」とは言ってはいけない。ところで、発症から救急外来受診までの時間はどう考えたらいいのでしょう。
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