2015年5月21日木曜日

電子化された敗血症管理ツールの有用性

An Electronic Tool for the Evaluation and Treatment of Sepsis in the ICU: A Randomized
Controlled Trial
Matthew W. Semler, et al. 
Crit Care Med 2015

✔ 背景
 電子化された敗血症評価・治療ツールを組み込むことで敗血症ガイドラインに基づく治療が推進され、予後が改善するかどうかを検討した。
✔ 方法
 単施設無作為化試験。4か月の間にMedical & Surgical ICUに敗血症と診断された、もしくは電子ツールで敗血症と警告されて入室した407人の患者を対象とした。患者は通常の治療を受ける群と、電子ツールを用いる群に無作為に振り分けられた。
患者の振り分け(文献より引用)
✔ 結果
 電子ツールを治療に用いた群(218人)と通常治療群(189人)について検討したところ、プライマリアウトカムである「SSCGによる6時間以内の管理バンドル」を全て達成するまでの時間には有意な差が無かった。ICU死亡率、ICU-free days、Ventilator-free daysにも両群間で差が無かった。ただし、ツールをオーダ入力のために使用した医師は28%しかいなかった。
✔ 結論
 敗血症評価・治療ツールは安全に用いることができるが、ガイドライン順守率や臨床的予後を改善することが無かった。おそらく、ツールがあまり用いられなかったからであると思われる。
バンドル達成までの時間(文献より引用)

◎ 私見
 電子ツールを使うと、敗血症バンドルが遵守されやすくなるかもしれない(培養採取や乳酸測定は有意な差あり)。EGDTは絶対的に有利ではないと判明しているので、死亡率などに有意差がでなかったのは納得できる。それにしてもツールがちゃんと使われていたのが28%というのは…。

0 件のコメント:

コメントを投稿