Kumar A, Roberts D, Wood KE, Light B, Parrillo JE, Sharma S, Suppes R, Feinstein D, Zanotti S, Taiberg L, Gurka D, Kumar A, Cheang M.
Crit Care Med. 2006 Jun;34(6):1589-96. PMID: 16625125
✔ 背景
低血圧出現/再発から有効な抗菌薬投与までの時間と予後との関係を明らかにする事を目的として研究を計画した
✔ 方法
カナダ・アメリカの14のICU。敗血症性ショックの患者2,731名について後向きに調査。
✔ 結果
敗血症の感染巣は肺(37.2%)、腹腔内(29.3%)、泌尿器(10.7%)が多かった。78.9%の患者(2,154名)は低血圧発生ないし再発の後に有効な抗菌薬を投与されており、低血圧から抗菌薬投与までの時間と死亡率には強い相関関係があった(OR 1.119(1.103-1.136, p<0.0001)。分離された、もしくは疑いのある菌種に有効な抗菌薬を低血圧から1時間以内に投与した場合の生存退院率は79.9%であった。APACHEⅡスコアや治療内容で調整して多変量解析を行ったところ、有効な抗菌薬投与までの時間は独立した予後規定因子であり、その中央値は6時間であった。
✔ 結論
有効な抗菌薬を低血圧発生から1時間以内に投与すると生存率が高くなる。敗血症性ショックの患者において、6時間以内に有効な抗菌薬を投与されたのは50%程度であり、改善の余地がある。
抗菌薬投与までの時間と生存率(文献より引用) |
抗菌薬投与までの時間と死亡のオッズ比(文献より引用) |
◎ 私見
敗血症発症からではなく、低血圧発生からの時間であることに注意。有効な抗菌薬を推定することも重要だし、しっかりとした量を投与しなくてはならないことも重要。初回投与量はその時点の腎機能とは関係が無いことは、改めて強調することでもないかな。
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