Zhou Y, Jin X, Kang Y, Liang G, Liu T, Deng N.
Crit Care. 2014 Jun 16;18(3):R122. PMID: 24935517
✔ 背景
ミダゾラムやプロポフォールを単剤で長期投与すると副作用が問題になる。ミダゾラムは急性離脱症候群、蓄積による覚醒遅延などであり、プロポフォールでは高中性脂肪血症や心血管抑制、Propofol infusion syndromeである。そこで、これらの薬剤を交互に使用する方法の有用性を検討した。
✔ 方法
72時間以上人工呼吸管理を受ける135名の患者を、ミダゾラム単独投与群(M群)、プロポフォール単独投与群(P群)、交互使用群(MP群)に無作為に割りつけてSBT可能になるまで投与した。全患者でフェンタニル 1~2mcg/kg/hrを併用した。
M群:0.03~0.3mg/kg bolus + 0.04~0.2mg/kg/hr infusion
P群:0.5~3.0mg/kg bolus + 0.5~3mg/kg/hr infusion
MP群:ミダゾラムより使用開始。プロポフォールへの変更時はbolusなし。
プライマリエンドポイントは覚醒までの時間、抜管までの時間、人工呼吸管理期間とした。セカンダリエンドポイントは薬剤コスト、ICUコスト、人工呼吸管理に関連する事象で対処が必要となったものとした。
✔ 結果
鎮静終了後の不穏はM群に比べMP群は低かった(48.7% vs 19.4%)。三群間で適切な鎮静レベルに維持できた時間は同等であった。覚醒までの時間、抜管までの時間、人工呼吸管理期間はM群でそれぞれ58時間、45時間、192時間であり、P群やMP群に比べて有意に長かった。一方でP群とMP群では違いが無かった。低血圧発生頻度はP群で高かった。薬剤コストはMP群はP群より有意に低く、ICUコストはM群より低くなった。
✔ 結論
ミダゾラムとプロポフォールを交互に使用する方法は安全で、コストをおさえることができる方法である。
結果(文献より引用) |
◎ 私見
ミダゾラム単独長期投与がずば抜けて悪い結果だった。交互投与とプロポフォール単独投与はほぼ同等の臨床的効果を持つが、交互投与の方が低血圧が少なくコストが安かった。プロポフォールより決定的に良いと言ってよいかどうかは微妙だが、使える方法ではあることがわかった。
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