Puthucheary ZA, Rawal J, McPhail M, Connolly B, Ratnayake G, Chan P, Hopkinson NS, Phadke R, Dew T, Sidhu PS, Velloso C, Seymour J, Agley CC, Selby A, Limb M, Edwards LM, Smith K, Rowlerson A, Rennie MJ, Moxham J, Harridge SD, Hart N, Montgomery HE.
JAMA. 2013 Oct 16;310(15):1591-600. PMID: 24108501
✔ 背景
重症患者では機能障害を伴う骨格筋委縮が認められる。骨格筋委縮の特徴や蛋白代謝異常における病態学的役割を明らかにする事を目的として研究を行った。
✔ 方法
平均APACHEⅡスコア 23.5、患者は18歳以上で48時間以上人工呼吸管理を受け、7日以上ICUに在室し生存退室した63人を対象として検討した。筋委縮は第1、3、7、10日目に大腿直筋の横断面積を超音波で計測して判定した。組織学的な検討や蛋白代謝についても検討した。
✔ 結果
大腿直筋の横断面積は10日目に有意に減少していた(-17.7%)。筋生検を行った28人について、大腿直筋横断面積の減少、筋線維横断面積の減少、蛋白/DNA率の減少が観察された。大腿直筋横断面積減少は一臓器不全患者に比べて多臓器不全患者で大きかった。筋線維壊死は54.1%に認められた。筋蛋白合成は1日目に既に抑制されており、7日目には増加に転じていた。しかし、下肢の筋蛋白破壊は10日間にわたって続いており、破壊に比べて合成が抑制されている事が原因であることが示唆された。
✔ 結論
重症患者において筋委縮は早期から速やかに生じており、その程度は多臓器不全患者で強かった。
大腿直筋横断面積の推移(文献より引用) |
◎ 私見
重症患者の筋委縮はかなりダイナミックに起きている様子。さて、この意義は何か。機能的予後を示すのか、もっと他の何かを反映するのか。筋委縮の程度を見ながら介入をするとよいのか。治療の指標になるのか。色々と興味はある。
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