Practice patterns and outcomes of treatments for atrial fibrillation during sepsis: A propensity-matched cohort study
Allan J. Walkey et al
Chest 2015
✔ 背景
敗血症患者が心房細動を起こすと合併症発生率や死亡率が上昇することが知られているが、心房細動治療の目標(レートコントロールかリズムコントロールか)やその内容の予後に対する影響は知られていない。
✔ 方法
米国の病院の約20%における診療費請求データを後向きに解析した。敗血症患者における心房細動治療のために経静脈投与される薬剤を特定した(β遮断薬、Ca拮抗薬、ジゴキシン、アミオダロン)。Propensity-matchingならびに操作変数アプローチを用いて治療手段間の死亡率を比較した。
✔ 結果
敗血症治療中に心房細動を合併した39,693人の平均年齢は77歳、49%は女性で76%は白人であった。Ca拮抗薬が最も多く用いられており(36%)、以下、β遮断薬(28%)、ジゴキシン(20%)、アミオダロン(16%)と続いた。心房細動の最初の治療に用いられる薬剤は、地理学的要因、病院の性質、医師の専門領域によって違いが認められた。Propensity-matched分析で、β遮断薬はCa拮抗薬(RR 0.92(95%CI 0.86-0.97))、ジゴキシン(RR 0.79(95%CI 0.75-0.85))、アミオダロン(RR 0.64(95%CI 0.61-0.69))に比べて院内死亡率が低い傾向があった。操作変数分析でもほぼ同様の結果が得られた。新規発症心房細動群や既往心房細動群、心不全群、昇圧剤依存群、高血圧群などのサブグループ解析でも同様の結果であった。
✔ 結論
Ca拮抗薬は頻繁に用いられているが、β遮断薬の方が予後が良い可能性がある。
◎ 私見
つまり、レートコントロールが望ましいということのよう。個人的にはβ遮断薬を用いることが多い。アミオダロンは使ってみたかった薬なのだけど、この研究からは優位性を証明することができなかった。うーん。
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