2015年10月12日月曜日

適切な脳灌流圧を達成するために

Clinical and Physiological Events That Contribute to the Success Rate of Finding "Optimal" Cerebral Perfusion Pressure in Severe Brain Trauma Patients.
Weersink CS, Aries MJ, Dias C, Liu MX, Kolias AG, Donnelly J, Czosnyka M, van Dijk JM, Regtien J, Menon DK, Hutchinson PJ, Smielewski P.
Crit Care Med. 2015 Sep;43(9):1952-63. PMID: 26154931


✔ 背景
 頭部外傷では脳灌流圧を適正化する必要性があると考えられている。脳灌流圧と動脈圧の間にはU字型の関係があり(圧反応性指数Pressure reactivity index)、適切な脳灌流圧を知る上で重要である。本研究では、適切だと考えられる脳灌流圧といくつかの生理学的指標、臨床因子、治療的介入の関係を調査した。
✔ 方法
 観察研究。二つの大学病院の神経集中治療室に1年半の間に入室した48人の頭部外傷患者を対象とした。
✔ 結果
 患者は全例動脈圧、頭蓋内圧、脳灌流圧を持続的にモニタし、ICM+ソフトウェアを使用してリアルタイムで圧反応性指数と適切な脳灌流圧を計算した。生理学的指標の変化、鎮痛鎮静薬、血管作動薬、頭蓋内圧亢進に対する内科的/外科的治療を記録した。得られたデータは4時間毎に集計した。動脈圧変動の消失(OR 2.7)、高い圧反応指数(OR 2.9)、少ない鎮痛鎮静薬(OR 1.9)、多い血管作動薬(OR 3.2)、筋弛緩薬の不使用(OR 1.8)、減圧開頭後(OR 1.8)が脳灌流圧が不適切となる独立した危険因子であった。
✔ 結論
 適切な脳灌流圧を保つため重要な6つの危険因子を明らかにした。

◎ 私見
 脳灌流圧を適切に維持するためにどのような事象に注目すればよいのかを調べた研究。我々の施設では頭蓋内圧を見るのは稀なのでこういう研究には興味がある。しかし、この研究で明らかになったとされる指標をみる限りものすごく役に立つという感じでもない。悩みは尽きない。

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