Thiery-Antier N, Binquet C, Vinault S, Meziani F, Boisramé-Helms J, Quenot JP; EPIdemiology ofSeptic Shock Group.
Crit Care Med. 2016 Apr;44(4):764-72. PMID: 26670473
✔ 背景
敗血症性ショックの早期に血小板減少が認められた場合、死亡に寄与するかどうかをその危険因子と合わせて評価する
✔ 方法
フランスで行われた多施設前向き観察研究。2009年11月から2011年9月までに入室した敗血症性ショック患者を連続的に集積した。
✔ 結果
1486人が対象となった。SAPSⅡスコア≧56、免疫抑制、年齢≧65歳、肝硬変、菌血症、尿路感染症が発症24時間以内の血小板減少の危険因子であった。28日死亡率は血小板減少の程度が大きいほど高くなった。多変量解析によると、血小板≦10万は28日死亡の独立した危険因子であった。
✔ 結論
敗血症性ショック発症24時間以内の血小板減少は予後不良のサインである。簡便に測定できるので、警告システムの一つとして利用できる。
血小板数ごとの生存曲線(文献より引用) |
◎ 私見
炎症と凝固はその反応経路を一部共有しているので、納得できる結果ではある。実際、いくつかのサイトカインとの関連で本研究と同様の結果を示したものが最近発表されている(J Crit Care. 2016 Apr;32:9-15)。血小板が少ない症例にどのような介入をするのか、が問題。いわゆるDICとして介入するとよいのか。それとも全く別のアプローチが良いのか。敗血症の治療は重症度(炎症の程度?)によって層別化して決める流れになるだろうから、こういった簡便な指標をもとにするのはよいと思う。
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