Mojoli F, Iotti GA, Arnal JM, Braschi A.
Intensive Care Med. 2016 May;42(5):914-5. PMID: 26690075
✔ 通常の呼吸では吸気から呼気への切り替わりは呼吸筋の完全な弛緩が生じるよりもずっと前に起きる。そのタイミングは呼吸パターンなどによって異なるが、おおむね呼吸筋弛緩開始から完全な弛緩状態となるまでの時間の半分くらいである。人工呼吸における吸気から呼気への切り替わりもこのタイミングに一致することが望ましい。吸気筋によって生じる圧をモニタすることでこのタイミングを評価し、呼吸器の圧波形との関係を示す。
A) 正しいサイクルオフ(吸気から呼気への切り替わり)が行われると、吸気フローの急激な減少からスムーズに呼気へ切り替わってフローのピークを形成し、指数関数的に減速していく波形が得られる。B) サイクルオフが早いと吸気努力の途中で呼気へ切り替わるため呼気波形が変形しピークが平坦になり、同時に気道内圧の落ち込みが見られる。吸気が終了すると通常通りの呼気フローが観察される。C) サイクルオフが遅いと吸気フローの減少が途中から急に遅くなり、自発吸気終了後に受動的膨張が認められる。人工呼吸器に表示される標準的な波形モニタを観察することで、サイクルオフのタイミングを適切に設定することができる。
サイクルオフのタイミングと波形モニタ(文献より引用) |
◎ 私見
いろいろな医療従事者に出会ってきたが、こういうところをしっかり見ることができるかどうかで人工呼吸に対する親和性を評価できるのではないかと思ったりしている。
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