2020年2月8日土曜日

ARDSにデキサメタゾンは有効かもしれない

【DEXA-ARDS study】
Dexamethasone treatment for the acute respiratory distress syndrome: a multicentre, randomised controlled trial
Jesús Villar, MD , Carlos Ferrando, MD, Domingo Martínez, MD,Alfonso Ambrós, MD
Tomás Muñoz, MD, Juan A Soler, MD et al.
Lancet Respiratory Meidicne
February 07, 2020  DOI:https://doi.org/10.1016/S2213-2600(19)30417-5

ARDSに対してステロイドが有効かどうかについては相反する報告があるため検証した。スペインの17のICUにおいて中等度~重度ARDS(P/F≦200かつPEEP≧5 OR FIO2≧0.5 OR ARDS発症から24時間以上)と診断された277人の患者を対象とし、デキサメタゾン(20mg/dayを5日間+10mg/dayを5日間)群139人と通常治療群138人に無作為に割り付けた。予定症例数の88%を組み込んだところで患者登録に時間がかかっているという理由で試験は中断された。デキサメタゾン群はVFDが大きく(群間差 4.8)、60日死亡率が低く(21% vs 36%)、副作用に差はなかった(高血糖 76% vs 70%、新規感染症 24% vs 25%、圧損傷 10% vs 7%)。

◎私見
2013年から始まっている研究で、途中で中断しているとはいえ9割近い症例数を集めることができている。これで微妙な結果だったら注目しないが、予想外にステロイド投与群の予後が良かった。現環境では抄録しか読むことができず患者背景が不明だが、外的妥当性が十分ならステロイド投与を考慮しても良いのかもしれない。

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