Chatterjee AS, Renganathan DN.
J Clin Diagn Res. 2015 Apr;9(4):PC05-9.PMID: 26046021
✔ 背景
穿孔性腹膜炎の術後合併症や術後死亡は多いため、予後予測のためのスコアが必要である。POSSUM (Physiological and Operative Severity Score for the enumeration of Morality and Morbidity)は12の生理学的因子と6つの手術因子からなるスコアである。これに穿孔から手術までの時間や併存疾患の情報を含んでスコアの精度を検討した。
✔ 方法
単施設前向き研究。50人の穿孔性腹膜炎患者を対象とした。
✔ 結果
50人中9人(18%)が死亡した。最も多い死因は敗血症であった。POSSUMスコアは死亡や術後合併症発生率を高い精度で予測した。陽性的中率はそれぞれ100%と94%、陰性的中率はそれぞれ78%と82%、ROC-AUCは0.943、0.93であった。
穿孔から手術までの時間が延びると死亡率が上昇し、48時間以上では前例死亡していた。また、併存疾患(糖尿病、高血圧、喘息、腎不全、低蛋白血症)が多いと死亡率が増加していた。
✔ 結論
穿孔性腹膜炎患者に対して、POSSUMスコアは有用である。さらに穿孔から手術までの時間や併存疾患の情報を加味することで精度が上がると考えられる。
◎ 私見
消化管穿孔による腹膜炎の予後予測について。POSSUMスコアは20年以上前に開発された予後予測指標であり目新しいものではないのだが、手術までの時間が重要であることが併せて示されていて興味深かった。
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