A. Rhodes et al.
Intensive Care Med 2015
✔ 背景
敗血症に対する治療には未だに施設間の違いがある。本研究ではSSCG2012に示されている敗血症管理バンドル(3時間以内に達成すべき事項、6時間以内に達成すべき事項)のコンプライアンスについて、地域間の違いと予後への影響を調査した。
✔ 方法
重症敗血症ならびに敗血症性ショックに対する治療的介入について全世界・多施設を対象に1日観察研究を行った。
✔ 結果
62カ国から1794名の患者が登録された。3時間バンドル全てを達成された患者は19%であり、院内死亡率低下に寄与していた(20% vs 31%)。6時間バンドル全てを達成された患者は36%であり、院内死亡率低下に寄与していた(22% vs 32%)。敗血症の重症度、感染巣、APACHEⅡスコア、国を調整しても、バンドル達成は独立した予後規定因子であった。
✔ 結論
エビデンスに基づいたバンドルの達成率は高くなかった。3時間バンドルを達成すると40%、6時間バンドルを達成すると36%の死亡率低減効果がある。
院内死亡率とオッズ比(文献より引用) |
当施設も参加したIMPRESS。日本からは17施設が参加し、33名が登録されたらしい。抗菌薬投与前の血液培養をとったのが50%だけとか、細かくみていくと考えさせられることも多い。地域差も大きくて、北米をレファレンスとすると、アジアの病院における死亡のオッズは1.22倍だが有意差無し。中央・南アメリカは1.69倍、東ヨーロッパは2.47倍とそれぞれ有意差あり。
バンドルを盲目的に守ること、というよりはその背景にある考え方とか治療のベクトルだとかが予後を改善しているのではないかと思ったりしているので、バンドル達成率をいたずらに上昇させることが良いことかどうかは一考の余地ありと思う。
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