Kapnadak SG, Herndon SE, Burns SM, Shim YM, Enfield K, Brown C, Truwit JD, Vinayak AG.
J Crit Care. 2015 Jun;30(3):449-54. PMID: 25746585
✔ 背景
抜管失敗は人工呼吸管理患者の予後悪化と関係しているため、予定抜管の失敗率は高くない方が良いと考えられている。しかし、抜管失敗率が極端に低いと、人工呼吸離脱を過剰に遅くしている可能性があり、やはり望ましくないと考えられている。そこで、予後と抜管失敗率の関係を調査し、もっとも適している抜管失敗率を明らかにするために調査を行った。
✔ 方法
1395回の抜管を対象として調査した。月毎の抜管失敗率を計算して三分割し、それぞれの非人工呼吸期間(Ventilator free days; VFD)、非ICU在院日数(ICU free days; IFD)、死亡率を比較した
✔ 結果
抜管失敗率は低率(<7%)、中率(7~15%)、高率(>15%)に分割された。VFDはそれぞれ、11.8、12.1、9.9で低率群と高率群で有意差があった。IFDはそれぞれ10.5、10.7、9.0で低率群と高率群で有意差があった。Post hoc解析では中率群と高率群も有意な差を認めた。死亡率は三群間で有意差はなかった(31.0%、31.9%、37.6%)
✔ 結論
少なくとも高率の抜管失敗率は避けるべきであることが判明した。低率よりも中率がより人工呼吸管理としては有用かもしれない。
◎ 私見
なんだか全体の死亡率が高すぎる気がするが…。抜管失敗(再挿管や気管切開)が高すぎるのも低すぎるのもよくないのではないかという疑問に端を発した研究だが、単施設の月毎の比較なので解釈が難しい。抜管に対する施設毎の考え方の違い(どんどん抜いてしまう施設と石橋を何度も叩いてから抜く施設)を比較しないと意味が無いのではないだろうか。
ところで、抜管失敗率とか死亡率とか、月毎にしっかりデータをまとめている施設ってどれくらいあるのだろう。