2015年11月4日水曜日

HFNCは呼吸不全患者の予後を改善する(FLORALI)

High-flow oxygen through nasal cannula in acute hypoxemic respiratory failure.
Frat JP, Thille AW, Mercat A, Girault C, Ragot S, Perbet S, Prat G, Boulain T, Morawiec E, Cottereau A, Devaquet J, Nseir S, Razazi K, Mira JP, Argaud L, Chakarian JC, Ricard JD, Wittebole X, Chevalier S, Herbland A, Fartoukh M, Constantin JM, Tonnelier JM, Pierrot M, Mathonnet A, Béduneau G, Delétage-Métreau C, Richard JC, Brochard L, Robert R; FLORALI Study Group; REVA Network.
N Engl J Med. 2015 Jun 4;372(23):2185-96. PMID: 25981908


✔ 背景
 急性呼吸不全に対して非侵襲的換気を行うべきかどうかという点については議論がある。High-flow nasal cannula (HFNC)が低酸素血症に対して有用かどうかを検討した
✔ 方法
 多施設オープンラベル無作為化研究。高炭酸ガス血症のない低酸素血症性呼吸不全(P/F<300)の患者をHFNC群、酸素投与群、NPPV群に無作為に割り付けた。プライマリアウトカムは28日までの気管挿管、セカンダリアウトカムはICU死亡、90日死亡、28日までのVentilator-free days (VFD)とした。
✔ 結果
 310人が解析対象となった。28日までの気管挿管率はHFNC群が38%、酸素投与群が47%、NPPV群が50%であった。VFDはHFNC群で有意に長かった。90日死亡のハザード比は酸素投与群がHFNC群に対して2.01、NPPV群がHFNC群に対して2.50といずれも有意であった。
✔ 結論
 気管挿管率には差が無かったが、90日死亡率を有意に低下させるためHFNCは酸素投与やNPPVに比較して有用である。
生存のK-M曲線
◎ 私見
 HFNCってこんなに有効かな?というのが正直な感想。案の定、多くのLetterが後に掲載されている。以下に列挙してみる。~無作為化の過程で大量のExclusionが生じている。HFNC群で敗血症性ショックが有意に少ない。あくまでセカンダリアウトカムであり標本数から考えて解釈には注意を要する。NPPVのVolutraumaが問題。NPPVの使用時間が短すぎる~などなど。いくつか追試がされるだろうし、その結果を見てみないと何とも言えないかな。

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