2020年2月23日日曜日

鎮痛鎮静薬と非同調

de Haro C, Magrans R, López-Aguilar J, Montanyà J, Lena E, Subirà C, Fernandez-Gonzalo S, Gomà G, Fernández R, Albaiceta GM, Skrobik Y, Lucangelo U, Murias G, Ochagavia A, Kacmarek RM, Rue M, Blanch L; Asynchronies in the Intensive Care Unit (ASYNICU) Group.
Crit Care. 2019 Jul 5;23(1):245.  PMID: 31277722

人工呼吸管理中の非同調は、オピオイド単独の鎮痛鎮静によって減少するのかどうかを検証した前向き観察研究。79名の患者から記録したのべ14,166,469回の呼吸を解析。鎮静薬単独投与時、オピオイド単独投与時、鎮静薬オピオイド併用時の間で有意差は無いものの、鎮静薬単独投与時は鎮静薬オピオイド併用時に比べて非同調が多い傾向があった。鎮静薬を大量に投与すればするほど鎮静深度が深くなりDouble cycling(DC)が減った。オピオイドと併用している鎮静薬投与量を増やすとIneffective inspiratory efforts during expiration(IEE)が増えてAsynchrony index(AI)が増加した。一方でオピオイド投与量を増やすと鎮静深度にはそれほど影響を与えずに非同調が減少した。鎮静薬はオピオイドに比べて非同調を減らさない。オピオイドは意識障害をきたすことなくAIを減らせる。鎮静薬を増やして減らせるのはDCのみ。

◎私見
非同調を減らしたければオピオイドを増やした方が良さそう。鎮静薬で抑え込むのではなくオピオイドで「覚醒しているが静穏」な状態を目指す。でも、どうしても患者さんを寝かせたいという医療従事者は依然として多く、「眠らない」という理由で鎮静薬が増量されているのを頻繁に目にする。非同調という観点から 鎮痛優先を説くのもありかもしれない。

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