2015年3月4日水曜日

CTによる肺水腫とARDSの鑑別

Comparison of chest computed tomography features in the acute phase of cardiogenic pulmonary edema and acute respiratory distress syndrome on arrival at the emergency department.
Komiya K, Ishii H, Murakami J, Yamamoto H, Okada F, Satoh K, Takahashi O, Tobino K, Ichikado K, Johkoh T, Kadota J.
J Thorac Imaging. 2013 Sep;28(5):322-8. PMID: 23615573


✔ 背景
 単純胸部X線写真で心原性肺水腫とARDSを鑑別することは難しい。胸部CTで鑑別できるかどうかを検討した。
✔ 方法
 急性呼吸不全(P/F<300)のために救急外来を受診し、胸部X線写真で両側浸潤影を認めた症例を対象として検討した。ふたりの集中治療医が診療経過のみから、ふたりの放射線科医がCT所見のみから心原性肺水腫かARDSかを判断した。間質性肺炎(膠原病性含む)、急性冠症候群、腎不全、左室機能不全の既往、肺塞栓、重度COPDの患者は除外した。心原性肺水腫の患者は収縮期血圧とBNPが高く、CRPが低い傾向があった。また、心エコーは全例に施行されていたが、右心カテーテルは8人(11%)に施行されたのみであった。ARDSの原因は肺内が45%、肺外が55%であった。集中治療医の診断を最終診断として、放射線科医のCT所見(5mmスライス)の読影結果の精度を調べた。
・CT所見
 Ground-glass attenuation、airspace consolidation、small ill-defined opacities、air-bronchogram、interlobular septal thickening、peribronchovascular thikening、traction bronchiectasis、pleural effusion。
✔ 結果
 41人の心原性肺水腫、20人のARDS患者を検討対象とした。心原性肺水腫では上葉優位/中枢側優位のGGA、中枢側優位のairspace consolidation、peribronchovascular thickeningの所見をより多く認めた。一方、ARDSでは全葉にまたがるGGA・Airspace consolidation・small ill defined opacitiesがより多く認められた。

患者背景(文献より引用)

心原性肺水腫のCT(文献より引用)
ARDS(文献より引用)
診断精度(文献より引用)

◎ 私見
 心原性肺水腫/ARDSの鑑別にCTは有用であるという結果であった。胸部CTは苦手。いつも専門の先生方の読影に勉強させていただいている。とにかくたくさん読んでいかないと。

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