2015年4月7日火曜日

敗血症性ショックに対する低用量ステロイドの効果

Low-dose corticosteroid treatment in septic shock: a propensity-matching study.
Funk D, Doucette S, Pisipati A, Dodek P, Marshall JC, Kumar A; Cooperative Antimicrobial Therapyof Septic Shock Database Research Group.
Crit Care Med. 2014 Nov;42(11):2333-41. PMID: 25072758


✔ 背景
 敗血症性ショックに対して低用量ステロイドが用いられることがあるが、これを指示する質の高い研究はない。敗血症性ショックに対して早期に低用量ステロイドを開始する意義を評価した。
✔ 方法
 後向き多施設研究。1996年から2007年までの間に28施設のICUに入室した6,663人の敗血症性ショック患者を対象として、Propensity matched cohortを用いて早期(48時間以内)低用量ステロイドの効果を検証した。Primary outcomeは重症度(APACHEⅡスコア)で層別化した30日死亡率とした。
✔ 結果
 早期低用量ステロイドは30日死亡率を変化させなかった(35.5% vs 34.9% HR 0.98)。サブグループ解析をしたところ、APACHEⅡスコア30以上では低用量ステロイド群で死亡率が低くなった(50.6% vs 55.8% HR 0.81)。ロジスティック解析を行ったが、ICU死亡率、院内死亡率、Ventilator-free days、Pressor/inotrope-free daysに差はなかった。
✔ 結論
 早期低用量ステロイドの有効性は確認できなかったが、より重症度の高い敗血症性ショックでは有用かもしれない。
死亡率に対する影響(文献より引用)
◎ 私見
 低用量ステロイドの効果についての後向き研究。似たような結論を報告したものは過去にも存在する。輸液や昇圧剤投与でも反応が悪く、にっちもさっちもいかなくなりそうなときに投与することがあるが、少なくとも悪い事をしているわけではなさそう。

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