2015年7月7日火曜日

人工呼吸器関連事象の疫学研究

Ventilator-Associated Events: Prevalence, Outcome, and Relationship With Ventilator-Associated Pneumonia.
Bouadma L, Sonneville R, Garrouste-Orgeas M, Darmon M, Souweine B, Voiriot G, Kallel H, Schwebel C, Goldgran-Toledano D, Dumenil AS, Argaud L, Ruckly S, Jamali S, Planquette B, Adrie C, Lucet JC, Azoulay E, Timsit JF; OUTCOMEREA Study Group.
Crit Care Med. 2015 May 14. PMID: 25978340


✔ 背景
 人工呼吸管理患者のサーベイランスの新しいパラダイムとしてCDCはVentilator associated events (VAE)という概念を導入した。このVAEの現時点における疫学、VAPとの関係、抗菌薬消費量や人工呼吸管理機関との関係を調査した
✔ 方法
 フランスの多施設データベース(OUTCOMEREA)を使用したコホート研究。5日以上人工呼吸管理を要した患者を対象とした。Ventilator associated condition (VAC)、Infection-related ventilator -assodiated complication (IVAC)について調査した。
✔ 結果
 3028人が対象となった。77%にVAC、29%にIVACが認められた。VAC・IVACの原因は多岐にわたるが、最も多いのはVAPを含む院内感染であった。VACとIVACのVAP診断に対する感度と特異度は、それぞれ0.92/0.28、0.67/0.75であった。VAC・IVACとVAPには有意な相関があった。VAEのなかった患者では人工呼吸管理期間が短かった。VAC・IVACと抗菌薬消費量は有意な相関があった。
✔ 結論
 VAEは頻繁に認められる合併症であり、抗菌薬の消費や人工呼吸管理期間延長と関係している。質改善の計画における有用な代替指標であると考えられる

◎ 私見
 医療のセントラルドグマのひとつに「介入と効果判定」がある。質改善プログラムとサーベイランスもその代表。当施設でもVAEサーベイランスを行っているが、半分は人手に頼っているのが現状。電子カルテ上で自動的に判定してくれるようになるとよいのだけど。
 
 

0 件のコメント:

コメントを投稿