2015年7月15日水曜日

熱傷患者の高Na血症にCVVHが有用

Treatment of acute hypernatremia in severely burned patients using continuous veno-venous hemofiltration with gradient sodium replacement fluid: a report of nine cases.
Huang C, Zhang P, Du R, Li Y, Yu Y, Zhou M, Jing R, Li L, Zheng Y, Wang H, Liu H, He L, Sun S.
Intensive Care Med. 2013 Aug;39(8):1495-6. PMID: 23653182


熱傷患者に見られる高ナトリウム血症の補正に血液浄化が有用であるというCorrespondence。

✔ 背景
 重症熱傷では人工呼吸、浸透圧利尿、二次性敗血症によって高ナトリウム血症となり、その死亡率は33.5%~66%と高い。Na摂取量の制限、Naを含まない輸液、利尿剤投与を行うがその効果は高くない。持続的血液浄化療法(CVVH)が有用かどうかを検討した。
✔ 方法
 集中治療室で高ナトリウム血症をきたした重症熱傷患者9人のコホートを対象とした。高ナトリウム血症については24時間の通常治療に反応しなかったもののみとした。
✔ 結果
 熱傷深度はⅢ度で平均したTBSAは73%であった。7人の患者はAKIを起こしており、8人の患者は人工呼吸管理下にあり、2人の患者は昇圧剤を必要としていた。Naは平均168mEq/Lで平均して入院6日目に認められ、嘔気嘔吐や痙攣、意識障害といった症状を有していた。全ての患者が平均36時間のCVVHを施行された。血流速度は200ml/minとし、置換液流量は2L/hrとした。置換液は3%NaClを添加してNa濃度を調節した。
  y(mmol/L) = 480 × (x + 0.9)/(4 + x) + 34.5
  y:置換液のNa濃度
  x:3%NaClの投与量(L)
置換液Na濃度は血漿Na濃度の8mEq/L低い濃度とし、4時間毎に2.47±0.24mEq/Lずつ減らしていった。全ての患者は有意にNa濃度が低下した。Na低下速度は0.67mEq/L/hrで合併症は起きなかった。Cre、APACHEⅡ、GCSはいずれも有意に改善した。1人は感染症により死亡したが、他8人は生存退院した。
✔ 結論
 熱傷患者に認められる高ナトリウム血症に対してCVVHは有用である。
Naの推移(文献より引用)
◎ 私見
 熱傷患者の高ナトリウム血症には悩まされるので、治療のオプションとして血液浄化も使用できること(その方法)を覚えておこうと思う。でも。やっぱり原因が治療できないとだめなんでしょうね。

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