2015年8月16日日曜日

EFが大きすぎても予後が悪い

Hyperdynamic left ventricular ejection fraction in the intensive care unit
Joseph R. Paonessa et al.
Crit Care 2015;19:288

✔ 背景
 左室過剰運動(Hyperdynamic left ventricular ejection fraction; HDLVEF)の病因、頻度、臨床的意義に関する情報はほとんどない。本研究ではHDLVEFの特徴と予後を調査した。
✔ 方法
 単施設後向き研究。心エコーを行われた成人患者を対象とした。EF>70%をHDLVEFとした。EF<55%であった患者は除外した。
✔ 結果
 HDLVEFの頻度は8.6%であった。EFが正常であった患者と比較し、HDLVEFでは女性、高齢、高血圧・悪性腫瘍の既往が多かった。多変量解析の結果、HDLVEFは28日死亡率上昇の独立した危険因子であった(OR 1.38)。
✔ 結論
 HDLVEFは死亡率を上昇させる因子である。どのような治療介入に影響するのか、また、薬物学的修飾を行うと予後が改善するのかどうかは今後の研究課題である。
重症度・検査結果・治療介入の比較

◎ 私見
 血液分布異常にみられる、という印象の強いHDLVEF。重症患者では時折認められる所見の様子。対象がEchoを要した患者なので、真のICU患者を代表していない可能性が高いのが問題。ともあれ、中心静脈血酸素飽和度と同じようにEFも数字が大きければ安心じゃないということ。

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