2020年1月11日土曜日

早期急性腎傷害にフロセミドを持続投与しても効果は無い(SPARK study)

Bagshaw SM, Gibney RTN, Kruger P, Hassan I, McAlister FA, Bellomo R.
J Crit Care. 2017 Dec;42:138-146. PMID:28732314

フロセミドが急性腎傷害(AKI)患者の経過を修飾するかどうかを検討した多施設無作為化パイロット研究。RIFLE分類でRiskの早期AKI+SIRS2項目以上+循環蘇生のGoalは達成済みの患者を無作為にフロセミド群(0.4mg/kg loading+0.05mg/kg/hr Furosemide 2000mg/NS 500mlで調整)とプラセボ群に割り付けた。AKIの増悪、腎機能回復、腎代替療法導入は両群間で有意差がなかった(若干Furosemide群で悪い)。電解質異常は介入群で多かった

◎私見
体重50㎏の成人を仮定すると、Furosemide 1A(20㎎)をLoadingして1日3A(60㎎)を持続投与する計算になる。循環が安定した後も乏尿状態のAKIにFurosemideを持続投与しても良いことは無いようだ。対象のほぼすべてが内因疾患に起因する重症病態で人工呼吸管理をされており、APACHE IIスコアやSOFAスコアもかなり高いので、重症すぎて意味がないという解釈もできそうだが。
外科系の先生で同じような管理をする方がおられるのだが、さてどうしたものか。対象とする患者が違うのでこの文献は意味がない?

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